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綿引勝美の平田弘史先生回想記(Vol.8)

平田が描く少女の姿

「私は、時代物の鬼といわれるほど、武士の哀歓・宿命を描き続けてきたし、これからも凝視して行きたい。いま、私の描いている主人公のイメージは仲代達矢である。彼の持つ、ニヒリズムとロマンチシズムのムードが、私はたまらなく好きだからである。そして、それは、まさに封建制度と権力の社会の中で、血まみれの宿命に生きる武士のイメージにぴったりなのだ。私は、その武士道を精魂こめて描き上げていく」と著していた平田弘史(『武士道無惨伝』1968年、芳文社)。
 いかにも時代劇画の鬼才・平田弘史らしいが、私は何故か平田が描くふくよかな美少女を忘れることができないでいる。『五月雨慕情』(1960年)で、父の仇討ちのため剣術修行をする美少女の美百合。その仇は美百合が慕う清之介の父だった…。同年に発表した『天下を斬る武士』では、徳川五代将軍・綱吉が発した「生類憐憫令」によって翻弄される奥田健一郎とその恋人・玉江が描かれる。秕政を正すべく大奥へ侵入。綱吉を斬殺し割腹した健一郎だが、奥女中として勤める玉江もまた、朋輩の長刀によって斬り殺されてしまう…。
 さらに、中でも涙せざるを得ないのが『大和川の侍』(1961年)だ。城主の双生児として生まれた大和川真介。足が不自由だったこともあり、菅平佐に育てられて成人する。その真介を庇ったことで心を通わせ合うようになった友代。陰謀を企む城代家老一味を倒し、晴れて城主の兄として名乗りをあげ、友代を迎えに急ぐ真介だったが、彼女は既に身罷っていた…。
 いずれも目元の涼しい少女たち。復刻が難しい日の丸文庫版なのが残念。

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▲魔像別冊『五月雨慕情』(日の丸文庫)より
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