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綿引勝美の平田弘史先生回想記(Vol.13)

平田劇画は歴史の教科書

 私の中学3年の時の修学旅行は、その頃のお定まりの京都・奈良周遊だった。腕白な男子が揃っての旅行で、仏像見物の楽しみなどかけらもなかったのが正直なところである。ところが、修学旅行の出発前、担任の教師に京都三十三間堂の「通し矢」の秘話を聞かされたことから胸をときめかした私は、級友と語らいその通し矢の跡を確かめようと考えた。
 当日、千手観音のほか千体もの仏像が祀られている堂の観覧はそこそこにエスケープ。全長120メートルもある縁に出て、廂と縁のそこかしこを見て回った。するとあったのだ! 肘木には通し矢に失敗した武士たちの矢の鏃が赤錆て残っていた。これこそが歴史の体感だと思ったものだ。
 その三十三間堂の通し矢のドラマを再現したのが、平田弘史の『闘魂』だった。1964(昭和39)年に日の丸文庫の「士魂物語」8として発表された。物語は修学旅行生らの三十三間堂見学から始まっており、私は自らの体験を重ねて夢中になって読んだ。この『闘魂』は1969(昭和44)年、「週刊少年キング」(少年画報社)に『弓道士魂』として長編化されているが、この企画を提案したのも『闘魂』に感動した戸田利吉郎氏(現・少年画報社社長)の進言によるものだという。通り一遍の歴史教育は記憶に残らないが、劇画にも歴史を知らしめる効能があるのだ。

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▲ハイ・コミックスに再録された『闘魂』(光伸書房、1968年)
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