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綿引勝美の平田弘史先生回想記(Vol.15)

『剣豪の母』で描かれた母子

 平田弘史の作品といえば骨太な男のドラマと誰しもが思うに違いない。しかし、私が平田劇画に魅力を感じるもうひとつの因に、平田が描く女性像がある。それはある時は慈愛に溢れる母の像であったり、たおやかな若い女性だったりする。
 『愛憎必殺剣』(日の丸文庫、1958年)でデビューした平田弘史が、2年目の年に『剣豪の母』を描いている。母に早く死なれた龍太郎は乳母がわりのちかを慕った。しかし、そのちかが、龍太郎の父・十兵衛との子を宿し、弟・龍三郎を産んだことから冷たく当たるようになる。
 後北条に仕えていた父は、その滅亡後、ちかの実家に身を寄せ神道流道場を開くも、慶長3年、秀吉の死去を知り割腹。母子3人の生活が始まるが、ちかを母と呼べない龍太郎は弟の龍三郎と争い傷つけてしまう。
 母親の違う兄弟の争いを丹念に描いてく平田。読者であった私は、ちかを母と呼べない龍太郎がいつ“母”と声をかけられるのかと、ひたすらコマを追っていた。
 家を出て再び剣の修行をする龍太郎。指南役の声がかかるも、弟・龍三郎が城主となったことを聞いて旅へ出る。その旅の途次、ちかと龍三郎の死を聞いた龍太郎。父の墓の前で死のうと帰郷したが、墓の前にあったのはちかの姿だった。ちかを初めて母と呼ぶ龍太郎に万感の思いが込められている。平田の母物に惹かれた因だ。
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