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綿引勝美の平田弘史先生回想記(Vol.16)

“慕情”が意味するもの

 今、手元に『魔像別冊 五月雨慕情』(日の丸文庫)がある。表題作と『剣豪の母』を収録したものだ。『五月雨慕情』は「魔像29号」(日の丸文庫、1960年)に発表された作品だが、その後、平田弘史の特集本として、女性がテーマのつながり? で1冊にまとめられた。当時の日の丸文庫で、平田弘史の人気がズバ抜けていたことが分かる。
 日の丸文庫は大阪の貸本漫画出版社だったため、東京ではなかなか手に入らなかった。すでに製版されていた版を流用することで経費を圧縮した1冊。そのため、一部に文字や絵のかすれがある。それでもこの1冊を手に入れたかった中学時代の私は、当時住んでいた瀬田の貸本屋の店主に譲ってくれるよう頼み込むほどで、それは男路線のドラマを描き続けていた平田弘史の異色作2編が収録されていたからに他ならない。
 タイトルに今までの“残酷モノ”とは相反した“慕情”が入り、平田弘史がどんな物語を創ろうとするのか興味がわいた。父の仇を討とうと旅する少女と仇の息子との出会い。(詳しくは「綿引勝美の平田弘史先生回想記」Vol.8参考)一見メロドラマ風に捉えられかねない内容だったが、平田のネームはあくまでも武士のものだ。
 「喧伝」、「破信は己の破身」の科白が物語をたんなるロマンスに終わらせていないのだ。硬派の科白が物語に真実味を加えているように思えた。

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