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【第2回】平田弘史先生担当譜 由利耕一(元漫画編集者)

 年の暮れが近づいた頃、打ち合わせ中の雑談で大掃除の話が出ました。年末の繰上げ進行で編集者が一年で一番忙しいとき、徹夜明けで家の大掃除をしなければならないなどと愚痴っていると、平田さんがいきなり「綺麗好きな男を主人公にしたらどうだろうか! お役目より掃除が大事な侍の話だ」と膝を打つ感じで言い出しました。綺麗好きな侍に対しては、どんな汚いものをぶつければいいか、侍は理不尽な苦境にどう耐えていくかといろいろ考えるわけです。裏と表をぶつけて、そうやってドラマを作っていく。読み切りなので一点突破です。一応この方向で正月にゆっくり考えてみる、と仰しゃるのでその夜は引き揚げました。
 年が明けて、ネーム締め切りの約束の日に訪ねて行くと、平田さんは髭ぼうぼうになってよろよろと出てきて「うーむ、うまくいかん!」と一言。結局幻の短編になってしまい至極残念でしたが、ヨチヨチ歩きの新人編集者のために何日もかけて話を考えてくれたわけですから感謝の気持ちが勝りました。
 その後、大友克洋さんの「AKIRA」の題字をお願いしました。
「AKIRA」の第3部(単行本では第4巻)の連載が始まる前に少し時間の余裕があって、大友さんが「第3部は、ネオ東京の廃墟を舞台にしたハードな展開になるんで、題字は平田先生に筆文字をお願いできませんかね」というので担当の私が依頼に伺ったわけです。1985年1月のことです。後日受け取りに伺った日にも目の前でさらに書き加えてくださって、横文字のロゴも含めて2、30種類いただきました。「だんだんパターンが尽きるね。由利さんも書いてみなさらんか」と筆を渡されたのをよく覚えています。江口寿史さんが「題字/平田弘史」をパロディーにしたりして有名になりましたね。
 単行本「AKIRA」に収録しなかった扉絵などを集めた『AKIRA CLUB』(1995年/講談社)という本に平田さんのロゴが収められています。(つづく)

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