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綿引勝美の平田弘史先生回想記(Vol.3)

『藤堂一家 西部へ行く』
 『黒船往来 大いなる勝負』(2009年。小池書院)に同時収録したのが、扉下に「幕末武士洋行想録」と認められた『藤堂一家 西部へ行く』だ。1962年に「魔像別冊 魔像書き下し選集1」(日の丸文庫)で刊行された作品の復刻である(巻末に1961.3 be comp1eted H.hirataの書き込みがある)。
 徳川幕府は、キリスト教禁止、対外貿易の利益独占を計って鎖国をして、日本人の海外渡航を厳しく禁じた。1854年、ペリーが黒船で再来した時、海外渡航を企てた吉田松陰らは獄につながれ、後に安政の大獄で斬首されている。
 しかし、密かに海外渡航を成功させた者もいるはずと考えた平田弘史が紡いだ一編が『藤堂一家 西部へ行く』だ。藤堂は薩摩藩家老・種子島久尚の家臣。薩摩藩は密輸にも手を染めていた事実がある。その伝を使っての密航が想像される。矢野徹は『カムイの剣』で、千島列島経由で北米大陸に渡った忍者・二郎が、インディアンの偉大な酋長・ジェロニモになったとしているが、琉球列島側にこそ密航成功の可能性が大きいと考えるのも道理といえよう。
 平田弘史は、後進国日本の育成のために米国に渡った藤堂十兵衛とその三人の息子たちの冒険譚を描く。拳銃対剣。その迫力は平田ならではのものだ。兄弟それぞれに課題を与えているところも、常に命題を抱きながら作画する平田の真骨頂といえよう。歴史の裏側に生きた人達それぞれにドラマがあるのだ。
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